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間質性肺炎(特に特発性肺線維症)ついて

医長 畠山 由記久

間質性肺炎とは、肺から取り込んだ酸素を血液へと受け渡す場所である「肺胞」の壁を中心に炎症が起こり線維化を起こす病気です。線維化を起こすと肺が固くなり、体への酸素の取り込みがうまくいかなくなります。一般的な肺炎、いわゆる細菌性肺炎は、肺胞の中の炎症をきたすもので、間質性肺炎とは異なります。
間質性肺炎の中で原因がよくわかっていないものを特発性間質性肺炎といいます。特発性間質性肺炎の中で、最も頻度が高く、悪化しやすい疾患が「特発性肺線維症」です。「特発性肺線維症」は50歳以上の男性に多く、我が国で10万人に対して10人程度の有病率だといわれています。


【症状・予後】

初期は無症状のことも多いですが、数か月から数年単位で慢性に進行してくる疾患で、動いた時の息切れや咳などを自覚することが多いです。慢性の呼吸不全の進行のみではなく、急激に呼吸困難が悪化したり(急性増悪)、肺癌を合併したり、平均の生命予後は3.5年であったとの報告もあります。

【診断】

症状や問診、身体診察(背中の聴診でパリパリ音)、肺機能検査で間質性肺炎を疑いますが、その原因を検索するために血液検査が必要となり、さらに特発性肺線維症の診断には胸部CT検査が必須となります。場合により、手術的に肺の組織を採取して病理検査をする必要があります。

【治療】

肺の線維化の進行はゆっくりですが程度は人それぞれですので、肺機能検査や胸部レントゲン写真、CTを定期的に行って経過観察します。 特発性肺線維症に対して、治癒を期待できる治療薬はありません。最近、抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が使用可能となり、線維化の進行を緩徐にさせる、急性増悪を減らす効果が期待されます。高価な薬剤ですが、公費補助などで医療費を軽減する方法もありますので、その際はご相談ください。 また、病気が進行し呼吸不全となった場合は、酸素吸入が必要になることになります。


動いた時の息切れ、咳、痰などは間質性肺炎以外の病気にもよくある症状です。徐々にそういった症状が強くなるようなことがあればかかりつけ医にまずはご相談ください。

咳