心臓血管低侵襲治療センター

心臓血管低侵襲治療センター

心臓血管低侵襲治療センターは、小切開低侵襲心臓手術、経カテーテル大動脈弁留置術、大動脈ステントグラフト、下肢静脈瘤血管内焼灼術を柱にした心臓血管領域の低侵襲治療に特化した高度先進治療の拠点です。心臓血管低侵襲治療センターでは、心臓や血管の病気に悩む明石、神戸、播磨地域の皆様に先進的な低侵襲治療を提供しております。
 お腹の手術では腹腔鏡手術という腹壁に小さな穴を開けて内視鏡でお腹の中を覗きながら胆嚢や胃を摘出する手術が主流です。20年前はお腹を大きく開けて手術をするのが普通でしたから、この間の医療の進歩は目を見張るものがあります。心臓や血管の領域でも同じような変化が起きています。僧帽弁弁膜症手術や心房中隔欠損孔閉鎖などを中心に小さな傷で内視鏡を用いた心臓手術が始まっています。また、カテーテルを用いて開胸や開腹せずに僅か数cmの創から大動脈瘤を治療する大動脈ステントグラフトや、レーザーで下肢静脈瘤を治療する血管内焼灼術など従来の大きな傷の手術に変わる新しい治療が次々に開発され、明石医療センターに導入されています。
 これらの治療は先進的な治療ですが、通常の健康保険の範囲内で治療が受けられる保険適用術式です。

小切開低侵襲心臓弁膜症手術 (MICS)

僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症により、手術が必要な場合、術後3週間から4週間の入院が必要と説明されることが多いでしょう。しかし、明石医療センターでは僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術であれば、小切開アプローチを適用するため、概ね術後7日から10日の入院で自宅に帰ることができます。仕事への復帰も術後2週間から3週間で可能です。
 小切開低侵襲心臓弁膜症手術(MICS)は右側胸部を5~8cm程度切開し小さな穴から内視鏡の補助のもと、高度な僧帽弁形成を行う手術ですが、熟練した外科医と高度にトレーニングされた手術チームで手術を行っています。
 複雑な僧帽弁病変があり、自己弁を温存した僧帽弁形成術は難しいだろうと説明されたことはありませんか?明石医療センターでは、98%以上の症例で自己弁を温存した僧帽弁形成術が施行されています。僧帽弁逆流再発率も低く抑えられています。
 小切開による僧帽弁形成術には沢山のメリットがあります。術中術後の出血が少なく輸血が必要になる率が低い、術後不整脈(心房細動)の発生頻度が低い、術後の回復が早く早期退院が可能、創が小さく術後疼痛が軽度、胸の真ん中に大きな創が残らず整容性に優れる、など患者さんに優しいことが多いです。仕事に速く復帰する必要のある働き盛りの方、手術による寝たきりになるのが心配な高齢の方にとって有効な選択肢の一つになります。
 もちろん、小切開で手術をするわけですから手術の難易度が高くなるわけですが、明石医療センターでは小切開手術の豊富な経験をベースに治療にあたります。心臓血管低侵襲治療センターが開設されてから1年間の間に47例の小切開心臓手術が施行され、うち36例が初回僧帽弁形成術でした。2017年は年間で45例前後の小切開僧帽弁形成が施行される見通しです。

経カテーテル大動脈弁留置術 (TAVI)

 

重症の大動脈弁狭窄症は、胸痛や息切れ、失神などの症状が出てしまうと一年に約半数の患者さまが突然死する可能性があるとされる非常に怖い病気です。しかし近年の医療の進歩により、この重篤な病気であってもカテーテルによる低侵襲治療が可能になっています。明石医療センターでは2017年8月から経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が開始され順調に症例数を重ねています。対象となる患者さまは、大動脈弁狭窄症と診断され、手術した方が良いと言われたが、高齢で手術をするとあとの回復が心配だという患者さまです。当院のTAVIの平均的な入院期間は術後10日です。詳しくはTAVI専用のページを参照願います。

 

大動脈ステントグラフト内挿術

腹部大動脈瘤や胸部大動脈瘤はかつてはお腹や胸を大きく切開して手術していました。しかし、現在では鼠径部の2~3cmの切開のみで動脈瘤治療が可能です。通常は全身麻酔で行いますが、間質性肺炎など呼吸機能の悪い患者さまなどは全身麻酔を避け、局所麻酔での手術も施行しております。通常であれば術後1週間程度での退院が可能です。

 

下肢静脈瘤血管内焼灼術

足に蛇のように蛇行する血管の瘤ができる疾患を下肢静脈瘤といいます。直接命に関わる疾患ではないため軽視されがちですが、下肢のむくみや、痛み、こむら返りなどの原因になりますし、何より美容的に気になります。この疾患に対しても下肢に針をさしてカテーテルを入れるだけで治療が完結する血管内焼灼術があります。最近保険適用になりましたので手術を受けられる患者さまが増えています。通常であれば日帰り、もしくは、一泊二日での入院で治療が可能です。

 

多職種チームで安全な治療を

低侵襲治療は高度な医療技術です。「心臓血管低侵襲治療センター」の第一の任務は、発展著しい心臓血管領域の「低侵襲治療」を安心して患者さまに受けて頂くことです。そのために心臓血管外科医、循環器内科医、麻酔科医、放射線科医、看護師、臨床工学士、放射線技師、リハビリテーション技師など関連する多職種からなるチームを作り、患者さまに質の高い治療を提供出来る体制を整備しております。さらに低侵襲治療に関連する教育や研究の拠点として世界に情報を発信し、世界中の患者さまが低侵襲治療を安心して受けられるようになるよう努力して参ります。

Medical Note

明石医療センター心臓血管低侵襲治療センターの取り組みや扱う疾患について解説しています。こちらの記事も参考願います。

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