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全身麻酔による心房細動アブレーション(尿道バルーンも麻酔で眠った後に入れます)

2018.12.25 心臓血管不整脈センター長 足立和正

施設によってアブレーション治療のやり方は様々です。以前、当院では全てのアブレーションは局所麻酔で行っていました。

このメリットは患者さまの意識がある状態でアブレーションを行うために危険の察知が早いということです。特に痛いことをしているわけではないのに異常に痛がっている場合は何か合併症が起こっている可能性が高いと考え、アブレーションを中断してその痛みの原因を追究します。局所麻酔の利点は合併症の早期発見や予防に有効であるということです。また、鎮静状態が浅いと不整脈を誘発しやすいということもあり得ます。

これまでは上記のような考え方により局所麻酔で治療を行っていました。しかしアブレーション治療で心臓を焼くと、人によっては非常に強い痛みを感じる方がいます。安静を守れずに動いてしまったり、呼吸が荒くなり、カテーテル操作が危険なこともありました。このようなことから場合によっては全身麻酔の方が安全性が高いと考えられるようになってきました。

全身麻酔の方法は大きく分けて2つあります。気管内挿管を行って麻酔科の医師に管理してもらう方法と気管内挿管を行わず喉頭を覆うi-gelチューブを用い循環器内科医が管理する方法です。当院では、患者さまの状態によってどちらの方法を行うか検討してから行っています。最近は前述したi-gelという器具が使えるようになり循環器内科医でも麻酔をかけて治療が行えるようになってきました。もちろん麻酔科の医師との綿密な連携のもと、今のシステムを作り上げました。

麻酔をかけると呼吸が抑制されるため、チューブを用いて肺に酸素化した空気を送り込む必要があります。よって患者さまには眠っていただき、人工呼吸器を装着してアブレーションを行います。この方法は呼吸が安定し、患者さまが動くこともかなり少ないためにアブレーションがしやすくなります。アブレーションがしやすいということはうまくいく確率も以前より向上します。麻酔がかかってから尿道バルーンの挿入も行うために尿道の痛みや違和感も感じません。もちろんアブレーションに伴う痛みも感じません。

今後も患者さまのメリットになるような方法を追究していきます。